オランダ政府「A Circular Economy in the Netherlands by 2050」(2016)

オランダは、EU諸国の中でもサーキュラーエコノミーに積極的にコミットしている。紙・段ボールのリサイクル率は82%、金属リサイクル率は94%(2014年)と資源循環も進んでいる。消費者の8割以上が買い物時にマイバッグを持参するなど、資源に対して市民の認識も高い。アメリカに次いで世界で2番目の農作物輸出大国である背景から、バイオマスが特に推進されるなど、バイオベースの経済が推進されている。

 

オランダのサーキュラーエコノミーへの歴史的変遷

 

 1875年頃に個人で金属スクラップ、布、食料品の廃棄物を回収が始まり、産業革命後1世紀近く効率性を求めた「作る、使う、捨てる」リニア経済が広がった。1975年頃の環境保護運動のながれで、廃棄物処理場などの水質・土壌汚染管理が始まる。さらに1990年頃になって、包括的な政策・税策が整備され埋め立て禁止・拡大生産者責任が取り入れられた。2015年にSDGsやパリ協定採択からは、持続可能な発展、チェーンアプローチ、クロージングループの形成が取り組まれている。

 

2050年にすべての人々に十分な食料や電機製品が手に入る将来を実現するために、オランダ政府は2016年9月に省庁を超えた包括的な取り組み’A Circular Economy in the Netherlands by 2050’を発表した。
 
  • 2050年までにサーキュラーエコノミー100% へ
  • 2030年までに一時原材料の使用を50%削減する

 

上記の大きな目標を達成するために環境インパクトの大きい【5つの取り組み項目】が選定された。

 

【バイオマスと食品】バイオマスと食品のクロージングループ化を目指し、燃料はバイオマスに移行する。2030年目標は、化石燃料シェアを70%に抑え、フードロスを半減すること。

プラスチックプラスチック包装材など、生分解性・リサイクルプラスチックにする。

製造レアメタルなど希少金属のリサイクルと再利用、製品を同じ用途に再度利用する。

建設建物の再利用化、メンテナンス、解体が持続可能な方法で行われること、カーボンニュートラルで再生可能な原料を使用すること。

 
消費財すべての消費財を持続可能な物とし、普遍的に入手可能な原料を使うこと、廃棄物はリサイクルされ新製品へと生まれ変わること。
 
 
 それぞれ2021年目標、2025年目標、2030年目標が設定され、2050年には、すべての原材料は、持続可能な方法で生産され、再生可能な原材料のみを使用するとしている。加えて、高品質なリサイクルと、再商品化を目指し、スマートリターン&回収システムの整備も目指している。
 
 参照(Resource):
Dutch experiences in closing value chain loops」水運管理局(Rijkswaterstaat
 
(Circular Economy Lab 編集部)