EUはサプライチェーンをどう変える?

EUの環境総局は、生産過程・製品設計・サプライチェーンの循環化を推奨している。基本的な考えは、生産・消費・貿易のあらゆる場面で、資源採取(原料・石油・土壌・水・自然資本)と環境へのインパクトを最小化すること。

たとえば原料を調達する際に、リサイクル原料を選ぶ。もしくはすぐに育つ自然素材を購入。生産ラインに使われるエネルギーはCO2排出の多い火力発電をやめて太陽光エネルギーを率先して使う。使用後にメーカーに戻ってきた製品は、洗浄や部品再生、リビルトの工程を経て流通、顧客にまた戻る。使えなくなった部品はリサイクルし、原料化に戻す、などです。

 

では、EUの環境総局が企業に提案する、取り組みコンセプトを実際にみてみましょう。

1.持続的でない原料の調達をやめ、代替する

その原材料は本当に持続可能か?供給リスクのあるレアメタルは代替素材を使用、バージンプラスチック・紙はリサイクル原料に置き換えよう。EU委員会では供給リスク指定レアメタルも公開しています。

2.リサイクル・リユース・リビルトしやすい製品設計

リサイクルには製品は早く簡単に分解され、リサイクル・リユース工程に戻る必要がある。分解しやすい製品設計、リサイクル選別作業を簡易化するため統一素材を使う、リユース製品には耐久性のあるコンポーネントなど、設計段階での見直しが必要。

3.生産過程を見なおす

生産のマテリアルフローの分析をし、生産工程の無駄を可視化し、「無駄の特定」をします。ムダを特定することで削減目標が可能になります。また再生エネルギーの使用、水の消費量・燃料使用量も削減します。

4.原料が与える環境・健康インパクトをなくす

その原料はほんとうに環境・健康インパクトはどうか、循環工程に最適であるか、CO2排出量、土壌・水質汚染、酸性雨、危険化学物質の観点からはどうか、再考が必要です。

5.回収ロジスティックスをつくる

使用後の製品は、リサイクル・リユース・リビルトされるための使用後製品の回収ロジスティックス形成が必要です。また再生された原料・部品がスムーズに新たな生産工程に戻るロジスティックス形成も必要です。

6.製品を売るだけでなく、サービス化する

ユーザーに製品を「リース」し、使用量ベースで課金するサービスを提供。機器にコネクティビティ機能を持たせ、使用量・使用状況・履歴などをモニタ上で管理。使用後の製品は廃棄されることなくメーカーに戻り、リサイクル・リユース・リビルトの生産過程へ戻します。サプライチェーン全体の循環の輪が構築されてはじめて可能になるのだとも言えます。

7.オフィス用品はグリーン認可調達品を使用

洗剤・紙・カーペット・潤滑油などオフィスで使用するものはグリーン製品を使うことでもサーキュラーエコノミーに寄与できます。できることから始めることが大事です。

自社のいままでの資源循環の取り組みを強化・延長するためのチェック事項としてぜひ活用してみましょう。


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