「ポルダーモデル」産官学協働の土台―CE先進国オランダの戦略とは

2016年、オランダ政府が2050年にサーキュラーエコノミー(CE)を100%達成するという目標を経済省、環境省、外務省、国土交通省の共同声明として発表し、世界的に大きく脚光を浴びました。

サステナビリティは環境と経済が切っても切れないトピックです。異なる利害関係から省庁間での協働は難しいものであり、政策レベルでの推進の動きが遅いのも政府内の調整に時間がかかっている場合が多いですが、オランダ政府はその壁を乗り越えている分他国より進んでいるといえます。

オランダには「ポルダーモデル」といわれる産官学協働の土台となる文化があります。

「ポルダー」とは日本語に訳すと「干拓地」。

海に面し、国土の1/4以上が海抜下であるこの国は、1953年に大規模な洪水によって多くの都市が水没し甚大な被害を被りました。

その教訓から、政府、産業、科学、地方自治体が知恵を出し合い、協力して水害を防ぐオランダ独自の「ポルダー文化」がつくりあげられました。オランダが他の国に比べてコラボレーションが得意なのも、小さい国土だけでなくこの文化が土壌となっています。

オランダ政府が発表した目標達成のための具体的なロードマップには、5つの優先分野として、1)バイオマス2)プラスティック3)製造業4)建設業5)消費財が掲げられています。各業界において対策を考える政府主催の産官学協働の協議会や有識者会議が定期的に設けられ、政府はファシリテーターとして知識や資源の共有を積極的に行っています。

政治の外でも、国家目標の一連の動きとして、幾つかのイニシアチブが発足しました。Nederland Circulair!はオランダ政府と研究シンクタンク等が合同で立ち上げたオンラインのオープンプラットフォームです。起業家や企業の担当者に対して、CE関連ビジネスを始めるためのKnowhow、ベストプラクティスや最新の技術などを共有することを目的としています。こちらがビジネスを焦点に当てているのに対し、Holland Circular Hotspotはオランダを世界的なCEホットスポットにするため、オランダ国内外における政府・自治体・研究機関・民間企業の情報交換、またそれによるCEビジネスの拡大を狙っています。先日ポーランドで行われたCOP24でも、欧州各都市のCEホットスポットと合同で独自のサイドイベントを開催するなど積極的に国際議論に加わっています。

Nederland Circulair!(英語):https://www.circulairondernemen.nl/

Holland Circular Hotspot(英語):https://hollandcircularhotspot.nl/en/

《 執筆: 奥村彩佳 フリーランスアナリスト/研究者》