ベルリン オープンデータ&コラボレーション思考がサーキュラーエコノミーに有効な理由

今回は、国際ネットワークや、ベルリンのサーキュラーエコノミー推進団体で個人のプライベート活動としてプロボノ活動を続けた個人の経験から、そこで得た学びをブログに書きます。都市レベル、またはコミュニティレベルのサーキュラーエコノミーについての話です。

プライベートでもサーキュラーエコノミー普及活動に参加する目的と、コミュニティのサーキュラーエコノミー実装に興味があり、仕事(と子育て)の忙しい合間をぬって、個人としてプロボノ活動をしてきました。

そこで、サーキュラーエコノミー推進団体の多くでオープンデータスタンダード&コラボレーションというアプローチが取られていることを学び、目からウロコが落ちました。

オープンデータとは著作権、特許など管理制限なしに、誰でも自由に利用できるデータをすべての人が自由に利用できるようにするというアイデアです。

ではオープンデータスタンダードとコラボレーションはサーキュラーエコノミーの発展になぜ必要なのでしょうか?

いろいろ議論されているものの、サーキュラーエコノミーの現状はまだ概念の段階です。”サーキュラーエコノミー”というスローガンはあるものの、まだ業界的に分断されており、共通言語が出来上がっていない状態です。それは、ちょうど「群盲象を評す」の様子に似ています。

Photo by Pawyi Lee, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=2635052


「群盲象を評す」とは、それぞれの盲人が、同じ一匹の象を触っていることを知らずに、自分が触っている一部分だけを理解して象の全体像だと思い込んでしまう寓話です。

CE型ビジネスモデル、素材、回収ルートなど事業系の角度からサーキュラーエコノミーという象を触る人。廃棄物、SDGs、地域経済の再生、ソーシャルトランジション(Social Transition)など社会系の角度からサーキュラーエコノミーという象を触る人。または、海洋プラスチック/マイクロプラスチック問題、CO2排出量増加/気候変動問題、生物多様性という環境系の角度からサーキュラーエコノミーという象を触る人など(例はこれに限りません)、切り口はさまざまです。 また、階層も国際間レベル、国レベル、都市レベル、コミュニティレベル、企業レベルと大小さまざまです。


データも部分的にしかそろっておらず、議論している人も自分の主観が混ざった情報で議論しています。因果関係がありそうな情報同士でも、それらを連携させるための手立てがありません。

現状の問題は、このように関係者らの理解の仕方が一つの側面であるため、話し合いが成り立ちにくいことです。ほかの関係者とは業界が分断された状態で、話し合うための共通言語がありません。

しかしサーキュラーエコノミーに必要とされているのは、業界横断的なソリューションです。大事なのは一側面だけではなく、いろんな意見を参考にしてサーキュラーエコノミーの真の全体像を見ようとする姿勢です。

自分の知識が完全ではないことをわきまえる「無知の知」の姿勢を利害関係者が持つことで、データの共有というマインドと、コラボレーション思考を育みます。そうすると、お互いに共有されたデータや情報を手掛かりにさらに考えを発展させ、全体理解を深めていくことができ、お互いに有益な結果を出すことができます。

ベルリンをはじめ数々のサーキュラーエコノミー推進団体は、こういった背景から、情報共有を基本とするオープンソースやオープンデータスタンダード、そしてコラボレーション推進というアプローチをとっています。業界横断的な話し合いを助け、先行事例的な協働プロジェクトにつなげています。

自分の知識が完全ではないことをまず皆が自覚すること。データの共有というマインドを持つこと。それが多様な業界の利害関係者同士の話し合いを可能にさせると学んだ経験でした。

サーキュラーエコノミーの実現に必要な成功要素は、整理・体系化し事例を含めて、改めて今後このブログでお伝えしていこうと思います。

(ベルリン、佐原ツェアマン理枝)

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